世間知らず

気がつけば40代になっていました。
自分自身イメージしていた40代とは…
かなりかけ離れているような気がします。
―――世間知らずですみません。
この言葉が通用しないのはとてもしんどい。

昔から、人の道をはずれるような非常識さはなかったと思うけれど、かといって「常識がある人か」というと、そのあたりは自信がない。
私の母が40代だったころを思い出してみると、家庭内のお金の管理も、家の中の主婦の仕事ぶりも、家同士のおつきあいも、どれもそつなくやっていたように思う。
一方、40代に突入した自分。
まだまだ未熟極まりない。
主婦としての働きも、大人のマナーも、知らないことが多い、と思う。
「思う」というのは、それを実感する場面も、意外と少ないから。
昔に比べると、大人の人付き合いをする機会が少なくなったように感じます。
冠婚葬祭も、身内で簡素にすませたり、お歳暮やお中元といった贈り物の機会も、お返しが大変だから、気をつかわせたくないから、という理由で、贈るのもいただくのも控えたり。
昔は、形式的とはいえ、なにかしらつきあいの機会が一年の間に何回かあったと思うのです。
そのたびに、ちょっとしたことを母親や身近な年長者に聞いたり、教えてもらったりして、学んでいったのでしょう。
私は、お葬式に関しては、大人になってから出席した回数のほうが少ないかもしれません。
友人の結婚式は何度か出席したりお手伝いする機会がありましたが、親戚の結婚式に出席した記憶はありません。
世間の一般的なおつきあいの機会が減ったのは楽ですが、一方で、学ぶべき常識を身につける機会を失ってきているのではないかな、そう思うと少し残念な気持ちになるのです。