ライブ会場

大学生の時イベント会場でのチケットもぎりや警備をするアルバイトをした。
「イベント」とはいうものの、ほとんどがコンサートで、シーズン中にプロ野球を何試合か担当したくらいだった。

今思うと自由度が高く、学校の延長のようなアルバイトでとても楽だった。
実際に、高校の時の同級生とたまたま一緒に仕事をするという日もあるくらいだった。
広い会場内にまんべんなく配置するから、相当な人員が必要だ。
毎回、100名近くが大部屋で業務開始まで待機していた。
集団で移動し、集団で説明を聞く。
持ち場に行けば、ある程度の裁量を持って、お客さんと接し、トラブルに対処する。
バイト慣れしていない大学生にはぴったりのアルバイトだったのかもしれない。
拘束時間が短く、日給は低い。
その代わり、辛いことは少ないし、何よりイベントに無料で参加しているような気になれる。
普段は入れない裏手に回れるのも嬉しい。
業務開始前、会場入りする時には、並んでいるお客さんを横目に関係者通路を悠々と通る。
コンサートの場合は、基本的にステージに背を向ける。
お客さんと目が合うのはあまりいい気持ちがしないが、後ろを向こうが音楽は聞こえるので、好きな歌手の時は時間が過ぎるのがとても早かった。
じっとしているわけではなく、何か問題があればその場所に移動し、また元いた所に戻ることになっているので、戻ってくる時はステージに軽く目線を向け、一瞬だけ観客と同じ気持ちになれる。
本来は禁止されているが、まあ問題ないだろう。
海外のアーティストのライブも何度かこなし、大学の友達に自慢したりしていたが、いつのまにかこのアルバイトには行かなくなった。
もっとお金を稼げるバイトをして、自分のお金で好きなライブに行く方が利口だと思ったのかもしれない。

武道館

武道館っていったいいくらの人間が入るのだろう。
玉ねぎと言われ始めたのは、あるロックバンドが歌詞の中で、そういう風に形容したことから始まったはず。

昔からライブの聖地でもあります。

“武道館で初ライブ!”といったような記事を見ると、やはりアーティストにとって一番のステータスになるのが武道館ライブなんだな、と思いますが、それは由緒正しき場所だからなのか、一番人数が入る場所だからなのか、よくわからないんです。

ライブに行くのは大好きで、アーティストたちのエンターテインメントを最高に楽しんでいる顔を見るのが好きで、CDよりもTVよりも一番輝いて見えるので、やはりアーティストとはエンターテイナーだなと実感する場所なんですよね。

それにしても、なんとなくドームとか、もっと言えば野外ライブの方がたくさんの観客を入れている気がするので、やはり武道館がステータスとなるのは場所としてのレア感というか、そこでやることの意味が重要なのでしょうか。

そんな気がしてきました。
いつか、武道館ライブに行ってみたいものですが、交通費まで嵩むので、かなりの勇気が必要です。
というか、この程度で勇気を使わなければならないなんて、悲しいものがありますよね。

勇気を貰った、勇気が出た、ってどこか胡散臭く聞こえるのは私だけでしょうか。
形の見えない要はモチベーションでしょ。
そもそも感情で動かなければならない事柄は、大抵、収穫も無いものですよ。