イベントの面倒な楽しさ
私には年二回開催されるとあるイベントに毎回参加しています。
実質的なお祭りイベントであり、毎回の開催を楽しみにしているのです。
しかしながらその内容は「楽しい」ということとは程遠いようにも思えるのです。
というのも、非常に人出が多く疲労がたまるイベントだからです。
とても人気の高いイベントであるので、少しでも早く会場に入るためには始発電車に乗ってまで会場外で開場時間まで待機の列で待たなければなりません。また、季節によっては暑かったり寒かったりするので、防暑防寒対策は欠かせません。
そうしてようやく入った会場内にいるだけでまるで満員電車に乗っているかのような状況に耐えなければならず、必要に応じて満員電車のような会場内を縦横無尽に歩き回らなければならないからです。
とまあ、一つ一つの部分を見れば自身でも何が楽しくてこのイベントに参加しているのか分からないほどなのです。実際、イベント前やイベント中ですら面倒くさいと感じることは少なくありません。
しかしようやく疲れるイベントから解放されて家に帰って一息つくと、出来ればイベント開始前に戻りたいと思っている自分がいる程に楽しかったと、名残惜しんでいる自分がいるのです。
実際、興味本位でこのイベントに参加しあまりの人の多さに来なければよかったと後悔して二度と参加していないという人も少なくありません。しかし私自身のようにこのイベントを楽しんでいる人の場合には、面倒くさいとも思っているのにも関わらず上記のような疲れる要素を含めて「楽しい」と感じてしまっているのです。
本来、「楽しい」ということと「面倒」だということは相対するものだとも言えるでしょう。
しかし「面倒なことが楽しい」という一見矛盾するような状況がこの世界には確かに存在しているのです。